道東3地区懇話会交流会
2003.5.17
中 野  武 房  氏 講演会
「ピアサポートの理論と実際〜体験を通して学ぶ〜」

 ピアサポートは、困っている子がいた時、周りの子が自分でできるサポートを考え実践していこうという考え方です。「いじめを受けて相談したい相手は親でも教師でもなく自分の友だち」だから相談を受けた子がより適切に対応できるようにしていこうというものです。従来のカウンセリングを始めとした教育相談の手法との大きな違いがそこにあり、中野先生はそこに魅力を感じ、伝承者として各界に広まるようご尽力しておられます。
 演題に「体験を通して学ぶ」とあります。中野先生の講演は、参加者の体験活動が随所に散りばめられています。だから、参加者も疲れることなく講演に耳を傾けることができます。今回も傾聴訓練やアサーショントレーニングを取り入れながら、参加者にワークを体験してもらっていました。ワークの後に、その意味や背景の説明が入るので、とてもわかりやすく、楽しく参加できました。
 ピアサポートの理論と実践の詳細は、中野先生の編著の「学校でのピアサポートのすべて ほんの森出版」に書かれています。現在、旭川の中学校でピアサポートの実践に取り組んでいるところがあるそうです。中野先生は、定期的にそこに出向き、実践的なアドバイスをされています。

 懇話会活動に関わっていると、対人関係で困っているお子さんのケースに出くわすことが度々ありますよね。そんな時の解決策のヒントとしてピアサポートはかなり活用できるのではと考えます。子ども同士だけでなく、職員同士・保護者同士、あるいはそれを全て取り込んだ人間同士のコミュニケーションを円滑にするための一つの方法として、ピアサポートの応用範囲は無限に広がっていくと感じています。
 中野先生のお膝元のこの地域でもピアサポートの実践の輪が広がっていくといいなと思っています。興味を持った方、一緒にやってみませんか?

                              ALTO 常任理事