高山 恵子講演会 報告
2003年7月7日 於 遠軽町立南中学校 北見市民会館

 平日にもかかわらず、遠軽町では140名、同じ日の夜、北見市では、130名の参加者を数えた高山恵子さんの講演会が開かれました。
 
 この講演会には、療育・教育関係者を始め、保護者や医師など、様々な顔ぶれが参加しました。
 
 中には、遠軽と北見の両講演会を「はしご」で参加する人もおり、全国的に知名度の高い講師への関心の高さを示すことになりました。
  高山さんは参加者に、「えじそん傾向度チェックリスト」で、自分自身を評価するよう促しました。
 発明王「エジソン」は、小学校の中退歴があり、実験もひとつに絞って集中することができない「ADHD」だったのではないかと言われており、「注意力に欠陥があってもそれは見方を変えれば「いくつかの仕事を同時にできる」ことであり、「多動」は、裏返せば「実行力」があること。それらを測る尺度が「えじそん傾向度」だと強調しました。

 「えじそんクラブ」も、そこから付いた名称だと、自身が代表を務める会を紹介しました。

 「障害は理解と支援で個性になる」ことを強調した高山さんは、ADHD児(者)本人が日常生活に支障を感じないように、周りの環境がどれだけ配慮されるかが重要、と話し、次のように続けました。
 「失敗体験や、叱責されることが多いADHDの子は、自信をなくし、不登校やいじめなどの二次的な障害を起こすことがあります。彼らにとってもっとも大切なことは『セルフ・エスティーム』の向上です。『セルフ・エスティーム』とは、自分の価値を評価し、自分を大切にしようと思う気持ちです」
 レザックの「実行機能」を引用した高山さんは、「ADHD児は、まず、『意志を持つことが難しい』のです。だから、行動療法が有効です。次に、『計画遂行』が弱く、自ら計画して行動することが苦手です。だから、自分をサポートしてくれる人を自分で見つけられるようにすることが、自立へつながるのです」などと説明しました。

 望ましくない行動を叱責するよりも、望ましい行動をほめる方が有効だと述べた先生は、「人に迷惑をかけたり、公共物や自分自身を傷つける行為には、叱責が必要です。しかし、何日も前の関係のないことなど、余計なことまで付け足してはいけないのです」、「所属・愛情要求などが満たされていない子どもへの叱責は逆効果」など、叱責には一定の釘を刺しました。

 この他、高山さんは、一般に個性を認めにくい日本の文化と、アメリカの文化との「違い」や、関係者や専門家が縦横に連携し、個別の教育計画(IEP)をもとに療育・教育にあたるアメリカのシステムの紹介、WHOの新しい障害の考え方などを説明しました。

 2時間があっという間にすぎるほど、豊富な話題と興味深い内容の講演会でした。


懇話会会員の皆様

遠軽では約140名
北見では130名の参加がありました
ほんとうにお疲れさまでした

謝辞担当のお母さん方には,
突然の謝辞のお願いを引き受けて下さり
本当にありがとうございました
会場の皆さんの声を代表する,率直で簡潔なお言葉で
高山先生への何よりのお礼になったと確信しています

アンケート用紙からは,「本物」に出会えた感動を
たくさんの方々からいただきました
収支的には(プラス)はなかったようですが
懇話会の歴史的には,そして何より皆さんの気持ち的には
大きなプラスになったことと期待しています


本当にたくさんの方にお世話になりました
ありがとうございました

事務局長