竹田契一氏講演会「LD児サポートプログラム」 開催要綱
1.趣 旨
学習障害のある子どもたちへの理解を深め,支援のあり方を学ぶことによって,学習障害のある子どもたちへの教育・療育・保育の質の向上を目指す.
2.主 催
オホーツクADHD&LD懇話会・北見ワイズメンズクラブ
オホーツク情緒障害教育研究会
3.日 時
平成13年 6月23日(日)
13時00分〜16時30分(受付は 12時30分から)
4.会 場
サンライフ北見 2階研修室 (北見市三輪1番地)
5.内 容
講 演 「LD児サポートプログラム」
講 師 大阪教育大学 教授 竹 田 契 一 氏
6.参集範囲
教育・療育・保育に関心のある方々及び保護者の方々
7.資料代 1,000円(研究会・懇話会の会員は500円)
8.その他
・参加申し込みの必要はありません.ご希望の方は,直接会場までお越しください.
9.お問い合わせ
オホーツクADHD&LD懇話会 事務局(市野孝雄)
北見市立三輪小学校 北見市三輪468 TEL 0157-36-2241
FAX 0157-36-6575(お奨めします)
メール YHQ01641@nifty.ne.jp
講師 竹田契一氏のご紹介
アメリカの大学で言語病理学という「言葉の世界の不思議」についてご研究され,帰国後慶応大学医学部大学院で医学博士号を授与されました. 現在大阪教育大学障害教育講座教授として,指導者養成のかたわら,日本LD学会副会長職として,専門家のさらなる指導教育に関わっております. 今,日本においてLDとADHD,広汎性発達障害といった「軽度発達障害」の世界について,教育分野の中ではもっとも具体的,実用的なお話ができる先生です.
子どもの様子を科学的に見つめながら,暖かいまなざしで子ども理解を進めることこそが,軽度発達障害のある子どもたちとかかわる養育者に求められている大切な事柄です. 今回,この分野において最高の講師をお呼びすることができたと自負しております.
竹田先生はその著「LD児の言語・コミュニケーション障害の理解と指導」(日本文化科学社)の中で次のように書いています.
『LDという診断がついた場合や疑われる場合には,「心配いりません,そのうち追いつきます.」「こんな子,他にもいます.」ということばは,単なる気休めにすぎません.ただ,極端な不安やあきらめも困ります.LD児は,学習上の問題に即した,教育指導の必要な子どもと考えましょう.・・・幼児期に,学習障害が疑われたならば,その段階から「予防的な取り組み」を行うのが,現在では最善の方法と思われます.』
また,「LD児サポートプログラム」(日本文化科学社)の中でも,『日常的に見られる子どもの様子から,「情報の処理能力」など認知的課題があると判断できる場面がある』と書いています.下記の例を読んでみてください.
〔例1〕 一対一では,それほど困ることのない子どもでも「集団行動に遅れをとる」という様子が見られることがあります.その場合,“のんびりしている子”という理解だけではなく,次のように見立てることも重要です.
@ことばの聞き分けができているか
A自分も話しを聞かなければという聴覚刺激に対しての注意が不十分ではないか
B言葉を理解する力が弱いのではないか
Cするべき行動を頭の中で順序立てて組み立てるのに時間がかかる,もしくは整理することが苦手ではないかなど
〔例2〕算数の文章問題ができない子の場合も,その背景にある様々な課題に着目することが重要です.
@問題文が読めないのか A 問題文の意味が理解できないのか
B計算力が弱いのか C 数同士の関係がわからないのか
D何を答えたらよいかわからないのか など
そして,問題を読むことに苦手さがあれば,
@マーカーなどで要点に印を付ける
A難しい数字で混乱するのであれば,易しい数字でできる低学年用の問題で,計算の仕方を理解する,など
竹田先生の講演を聞いていただくことで,子どもの理解の仕方や関わり方などのヒントがたくさんもらえるものと思っています.多くの皆さんのご参加をお待ちしております.